ウイスキー界の巨人ディアジオ社の前身ユナイテッド・ディスティラリーズ社の時代から続く、傘下のシングルモルトを統一デザインでリリースするシリーズ「花と動物」のリンクウッド12年です。ラインナップの追加縮小や細かいラベル変更こそあれど、ハウススタイルに則った味わいという基本コンセプトは90年代から変えていない貴重なシリーズ。
【テイスティングコメント】
色:濃いサクラソウ。
香り:驚くほど花のようで花びらに似ている。キンポウゲ。草。芳しい。
ボディ:ミディアム、まろやか、少しシロップのよう。
味:スタートはゆっくりだが、マジパン、バラ、そして、フレッシュな甘さに長い時間をかけて変化する。ゆっくり味わうべきもの。
フィニッシュ:香水のよう、ややドライ。レモンの皮。
※2011年刊行 モルトウイスキー・コンパニオンより抜粋
1821年創業のリンクウッド蒸溜所は森の中に建つ風光明媚な蒸溜所で、冷却水を得るため建物のそばに作られた貯水池には白鳥ほか様々な野生動物が住んでいます。1945年から63年までこの蒸溜所のマネージャーを務めたロデリック・マッケンジーは「ウイスキーの出来栄えは、製造設備だけでなく付近のあらゆる自然環境の影響も受ける」と考え、所内に張られたクモの巣を払うことすら許さなかったそうです。
その上品かつ華やかな甘い香りと優しく軽やかなボディは「入手できる最上のモルトのひとつ」と高く評価され、ジョニーウォーカーなどのレシピに組み込まれています。