長年にわたって食品や化粧品向けのアルコールをサトウキビから製造してきたハンプデン蒸溜所が、ラ・メゾン&ヴェリエ(仏ラ・メゾン・ド・ウイスキーと伊ヴェリエの合弁会社)の協力を得て、初めての蒸留所元詰めボトルとなるハンプデン7年をリリースしました。独自の工夫をこらして造られたエステリーでアロマティックなラムを、地元の湧き水で加水してカラメル不使用のナチュラルカラーのまま瓶詰め。伝統的な製法による本格派ジャマイカン・ラムです。
実を言うと店主は溶剤を連想させるブリティッシュ系ラムならではの香りが苦手なのですが、このハンプデン7年は溶剤風のニュアンスは控えめで様々なフルーツや花の香りを楽しめます。スパイスとメープルシロップを伴う滑らかな舌触りから、甘さを残さず爽やかに長くフェードアウトするスパイスの余韻も心地よいです。
【輸入元テイスティングコメント】
香り:ジャマイカラム特有のパワフルさと、くもった中にある熟々のフルーツ、オレンジキュラソー
味:甘くクリーンで、シュガーやシナモン、カカオ
フィニッシュ:スモーキー&ペッパーで心地よく続く
ジャマイカのハンプデン蒸溜所はラム酒への参入こそ2010年と最近ですが、創業は1753年、製菓や化粧品向けのアルコールをサトウキビから生産してきた老舗の蒸溜所です。
その製法は「香りを高める」ことにこだわっており、サトウキビジュース、モラセス(糖蜜)、水、さらに初留の残液を冷ましたもの(ダンダ)も加えて、古い木桶と天然酵母で時間をかけて発酵させるのが特徴。発酵が終わってもすぐには蒸溜せず、200年も注ぎ足し続けてきた発酵液の澱(マック)を混ぜてしばらく寝かせることで風味を加える一手間も。これをポットスチルで4回蒸溜して出来上がるラムは、強いアロマとフルーティーな風味を備える複雑な味わいとなります。