イタリア ヴェネト州ヴェローナ地区でごく限られたワイナリーのみが造る赤ワイン「アマローネ」は、秋に収穫したブドウを4ヶ月以上にわたって陰干しして水分を約40%抜いてから仕込む高級ワイン。チョコレートのように滑らかで心地よい苦味と濃厚な果実味が渾然一体となった味わいは、その特徴的な製法から生産量が非常に少ないことも手伝ってワインファン垂涎の的となっています。
このグラッパ アマローネ リゼルヴァは、貴重なアマローネの絞りかすを原料とするのはもちろん、アマローネの名手ベルターニ社が発酵を終えたアマローネを6年にわたって熟成させる際に使ったフレンチオーク製バリック(225L樽)を譲り受け、グラッパの熟成樽として再利用。リンスではなく正真正銘アマローネの生産に使われた樽は原酒と素晴らしい相性をみせ、濃厚かつビロードのように滑らかとされるアマローネの個性までも受け継いだ地元愛あふれるグラッパに仕上がりました。
チョコレートとフルーツに上品なスモークが絡み合う、濃厚かつ滑らかな香味にモルトファンとして仕事抜きで驚かされて、当店のラインナップに加えました。デ・ヴァルダがグランクリュに位置付けているにも関わらず値段は手頃で、長熟モルトウイスキーに通じる要素も内包。これを試さない手はありません!
【店長テイスティングコメント】
香り:干しぶどうに濃厚な完熟リンゴが続く。仄かなクローヴとスモーク
味:滑らか。干しぶどうとチョコレート、穏やかなタンニン。時間が経つと完熟リンゴが現れる
フィニッシュ:ダークチョコレートとスモーク。穏やかに長く続く
「ヨーロッパで最も美しいワイン園」と言われる、イタリア北方、アルプス山脈の麓にあるメッツォロンバルドでグラッパを作るヴィッラ・ディ・ヴァルダは、1800年代初頭にロメディオ・ドルザンがグラッパ用ぶどう園を拓いてから5代目となる現当主ルイジ・ドルザンとその息子ミケーレ&マウロ兄弟が運営しています。蒸溜所のルーツとなるディ・ヴァルダ家はメッツォロンバルドで1678年から続いてきた貴族で、代々ワインやグラッパに深く関わり続けてきました。蒸溜所に併設されたグラッパ博物館には、1400年代に使用されたポットスチルをはじめ1600点にのぼる醸造や蒸溜の器具や農具、数世紀にわたって経理や相続が記録された280点の文書など、数多くの貴重な資料が収蔵・公開されています。
グラッパはワイン造りで残るブドウの絞りかすを発酵させて造るブランデーですが、ヴィッラ・ディ・ヴァルダのスタイルは「上質なグラッパを造るために自らワインも造る」真逆のアプローチ。果汁をたっぷり残した新鮮な絞りかすを加水・加糖なしで発酵させ、手作りの銅製蒸溜器で丁寧に蒸溜。凝縮された果実味に上質な樽ならではの熟成香もまとわせた、とても芳醇なグラッパを造り上げています。